香油とは
香油という言葉を聞いたことがありますか?
香油は、香る油と書いて「こうゆ」と読みます。
「香水」は私たちの生活に馴染みのあるものですが、「香油」は知らない人が多いかもしれません。
『香油』とは、「髪の毛や肌などにつける、香りの良い油」で、マッサージをする時や、皮膚の保護など直接肌や髪の毛に使えるオイルのこと。
髪の毛先に付けて、潤いを補ったり切れ毛を防止したり、かさつきがちな肘や膝、手指に使用すると、しっとりと潤う上にやさしい香りに包まれます。
また、アルコールフリーの芳香オイルである香油には別名があり、「エジプシャンオイル」や「アラビアンオイル」と呼ばれるこもあります。
香油には香りの種類もたくさんあり、オイルが香り成分を包んでくれるので、ふんわりとした香りを楽しむことができます。
さり気ない香りを楽しみたい方には特にオススメですよ。
また、香油の特徴の1つとして、アルコールが入っていないのため香水と比べて香りの持続性が高いことが挙げられます。
ふんわりとやさしい香りを長時間楽しむのに、香油は向いています。
香油と香水の違い
香油と香水。この2つの違いは何なのでしょうか?
それは、ベース(元の材料)です。
香水は、香料・エタノール・精製水を混ぜ合わせて作るのに対し、香油は天然の香料に植物油を混ぜて作られます。
香料の希釈に植物油が使われている香油に対して、 香水はエタノールなどのアルコールを使用しているため揮発性が高く、香りの成分を拡散する事に向いています。
しかし、アルコールを使用している香水は注意する点もあります。
それは、敏感肌の人の場合、刺激が強く皮膚が赤くなってしまう事や、使用する人の体臭によっては香りが変化してしまう可能性もあるということ。
アルコールに対してアレルギーのある人は渡航に注意が必要です。
一方、香油はアルコールフリーなので、肌への負担が少なく、ゆっくりと広がる香りが長時間楽しめます。
香油の長所①
保湿力がとても高い香油は、植物性のオイルがベースとなっているため、香りを楽しむ以外にも、髪や肌のパサつきやカサつきを抑えて、肌の水分を保つ効果が期待できます。
そして、体全体に使用するボディ用と気になる部分だけに使用するポイント用というように幅広く使えるところも魅力です。
ボディ用の香油は、お風呂上がりの体の水分を拭き取る前に馴染ませて、その後タオルで軽く抑えるように水分を拭き取ると、オイル特有のベタつき感を軽減することができ、程良い肌の潤いも感じることができます。
また、ポイント用の香油で長時間香りを楽しむコツとして、手首や首筋の脈を感じる部分に少量塗布すると良いでしょう。
良い香りと美容、そのどちらもカバーしたいと考える方に香油はぴったりのアイテムと言ますね。
香油の長所②
香油は、自分で作ることができるところも魅力的です。
ホホバオイルやスクワラン、アルガンオイルなどの中から、いずれかのベースオイル10ml〜15mlと好みの香りの精油を用意します。
ベースオイルは種類によって使用感が違うので、自分に合ったものを選ぶのがポイント。
作り方はとても簡単で、好みの容器にベースオイルと精油2〜3滴を入れて、爪楊枝などでよく混ぜるだけで自分だけのオリジナル香油が完成します。
(精油の使用量はベースオイルに対して1%まで)
自分で香油を作る時の注意点は、肌に刺激を感じた場合には、ベースオイルを継ぎ足して精油を薄める、もしくは使用を中止しましょう!
敏感肌の方は、あらかじめ精油の量をベースオイルに対して0.5%にするなどの工夫をするのも良いですね。
心配な方は、前もって少量の香油でパッチテストをしておくのがオススメです。
香油は自分で好みのものを作る事もでき、魅力的で楽しいアイテムですが、赤ちゃんやペットのいるご家庭では、材料の取り扱いにじゅうぶん注意してくださいね。
香油の歴史
香水よりも古い歴史を持つ香油は、古代エジプトで紀元前3000年~紀元前2000年頃から使われていたと言われています。
当時香油は、生きるための食事と同じくらい必要なものとされ、大変価値があり高価なものでした。
毎日行う儀式や、死後埋葬された墓にも香油を収めるという事が当時の権力者達の間で行われていました。
王様が亡くなった時には、王様の亡骸に白檀・肉桂・イリスの根や香りのよい樹脂などの香料をたっぷりと塗り、ミイラにして手厚く葬っていました。
香料が持つ防腐・防臭効果がミイラ作りに役立っていたのですね。
その他にも、動物性油脂に色んな香料をブレンドした軟膏を塗り、体温で温められて体や頭などに香りが染み込むことで、柔らかく心地よい香りを周囲に漂わせて楽しんでいたようです。
その他にも香油は、太陽の紫外線から肌の乾燥を防ぐ目的でも使われていたそうです。
クレオパトラは、TPOや体の部位ごとに香りを変えて香油を楽しんでいたという事ですから、美意識が高くさすがですよね。